A氏へ
まずは大学合格おめでとう。
共通テストで思ったようにいかなかったって兄から聞いていたので二次試験はより緊張したとだろうけど、A氏ならいつも通りの実力を出せば受かると思ってました。本当によくやりました。
とはいえスタート地点に立っただけで、これからが本番です。四年間、院まで進めば六年間をがむしゃらに悔いのない大学生活を過ごしてください。僕は当時は長いと思っていたけど、過ぎ去ってしまえば、振り返ると短くて大切な四年間でした。
自分の時はお節介な親戚がいなかったので、お節介なおじさんとして大学生のときにやっとけばよかったことをいくつか書きます。覚えておかなくてもいいけど、大学卒業した後にでもふとしたときにお節介おじさんがなんか言うとったなと思い出すといいなと勝手に思ってます。
友だちを作ろう
大学に行く目的は学業を修めて、社会に対して自分をより価値のある自分にすることだと、今なら僕は思います。自分の価値は、自分の能力だけではなく、自分から繋がる人間関係もその一つです。自分と同じレベルの学生が集まっている大学という場は、将来の価値ある交友関係を築くことができます。
ただ、ひとつのコミュニティに留まらず、複数のコミュニティで友人を作るのがいい。ひとつだけだとそこでもし否定をされてしまったら逃げ場がなくなってしまう。自分の場合は、大学のクラス、サークル、他の大学のサークル、バイト先、当時趣味だったカードゲームの仲間なんかは今でも続いてる大事なコミュニティです。いろんな人間と交友を広げることで世の中に様々な人間が存在していることと、自分が様々な要素で成り立っていることを実感できます。
自分でお金を稼ごう
生活費は仕送りなのか奨学金を借りるのか分からないけど、大学生のうちにそれらとは別に自分でお金を稼ぐ方法を考えた方がいい。それはバイトなのか作ったモノを売るのか、はたまたYouTuberなんて稼ぎ方も今だと存在しています。自分にしっくりくるやり方にアタリをつけよう。
お金を稼ぐことは簡単ではないので仕送りがあれば親に対してのリスペクトが更に増すでしょうし、簡単に稼げるなんていう怪しい勧誘なんかも疑うことができるでしょう。自分や所有物に価値があって、その価値を認めてくれる人がいてお金が発生します。お金を稼ぐ過程で、物事の価値を実感できるはずです。
学生の肩書をフル活用しよう
学生でなくなった途端に世間の目は厳しくなります。職についてなければ無職です。しかしながら、学生という肩書はどこにでもアクセスできるパスポートなのです。
学生で、かつ正しい言葉遣いで思いを伝えれば、大抵どんな人でも返事をくれると思います。大学であれば教授は勿論だけれど、大体の個人やビジネス界にも門戸が開かれています。僕も学生時代に、人のツテでグラフィックデザイナーの方に一年間ほど撮った写真を見てもらう機会があり、貴重な体験ができました。ただ、自分が不甲斐ないせいでその縁はダメになってしまったのですが。
つまり、機会を得た以上は、真摯な姿勢とパフォーマンスが何より重要になってきます。相手は社会人で時間に余裕がないからこそ、学生である我々は真剣に向き合わなければなりません。大人は学生の本気度を見抜くことができるのです。
調べることから始めよう
調べることは全ての活動の基本だと考えています。理系学部だからいつか研究することになるだろうけど、計画→調査→実験→考察というシンプルな研究のサイクルがあり、おおよそのプロジェクトはこのサイクルで進みます。この中でも計画と調査という前段階がとても大事です。
家具や家電を揃えたと思います。時間が無かったと思うのでセットとかで買ったかもしれませんが、生活の中でも何かを買うときに調べますよね。調べることでマズいことを回避したり、価値のあるモノを見つけることができます。
先の段落でグラフィックデザイナーの話をしましたが、何故ダメになってしまったかを考えるとやはり調べることが圧倒的に足りてなかったように思います。それは写真に対して、その人の優しさに対して真剣に向き合ってなかったとも言えます。まずは手っ取り早くインターネットや本、それから人に相談したり、アンケートを取ったりして、自分の考えを具体化する。調べることで、具体的な道筋を立てて、実行するという社会人では当たり前のことができていなかったのです。
最後に
何か困ったらいつでも連絡してください。これまで親を通して連絡してたけど、LINEのIDはXXXXXです。気軽に連絡して大丈夫です。意外と交友関係が広いので、将来的にこういうことやりたいとか少しでも兆しがあれば、近しい人を紹介できるかもしれません。
もしもお金に困ったら、ちゃんと親に相談しましょう。お金に関しては僕は融通して上げられない可能性が高いです。だけど、それ以外のことだったら大体相談に乗ってあげられるし、就活のときに東京で面接があるから泊めてとかも全然OKです。ウチの子達と遊んでもらうことと引き換えになるかもしれないけどね。
大学生になったら今までよりもずっとたくさんの選択肢が、毎日毎日目の前に現れるけど、それらを全部自分の手で決めることができるのは、大人になった証拠です。嬉しいね。
あと、たまにでも良いから親に写真で連絡取ってあげてください。僕のときはLINEなんてなくてあんまり連絡取ってなくて心配も結構掛けちゃったから、そんなことのないように。でも、A氏はいい子だから大丈夫かな。年の離れた弟のように勝手に思っていたので、純粋に応援しています。頑張ったね。これからも頑張ってね。
叔父より