マレーグマの頭のなか

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Gのレコンギスタ 劇場版5部作見た

Gのレコンギスタ 劇場版5部作を全て鑑賞しました。

土日の二日間で一気に見たので、まだ消化しきれないところもあるけど、なんとなく鑑賞して湧いてきたことを書く。

初期設定は富野監督が神なら?

Ⅳ、Ⅴの鑑賞の前に様々なインタビューを読んだ。大体似たようなことが書かれているが、最終的に子や孫のことを考えられるように作ったと締めている。

Gレコの世界では、スコード教という宗教がタブーを決め、それを地球に住む全ての人が守っている。中身はアグテック(農業と科学技術)を進めてはならない、天体観測をしてはならないとかそういうの。これ以上便利にして、経済活動してお金を回したって意味ないよという監督の主張。富野監督が考えた人類を縛る環境で、これをすればまぁなんとかなるんじゃない?ってことだと思う。大した根拠は無いが。

で、なんか普通のアニメだったらその教祖や教皇が狂っていて、私服を肥やそうとしてたり人類の滅亡を考えているから打破するとかだろうと思うけど、全ての戦略を担うトップは実際に数千年の時間を要して地球を再生させようとしていた。

結局はベルリなど主人公パーティも宗教の縛りに関しては最後は黙認してる。最初はお前たちは間違ってるんだ!ってなるのかなと思っていたので、少し驚いた。地球に石油や石炭などの燃料が枯渇してしまったために、この ”縛り” を受け入れる必要がどうしてもある必然性が最初の方から示されていたわけだが…。

じゃあなんのためにみんな戦っていたのというと、以下に続く…。

キャラの行動原理

キャラの行動原理が分からなくて気持ち悪い妻に相談した。

最も気持ち悪いのはジット団の隊長であるキア・ムベッキだ。ギム・ギンガナム的なラスボスかな?と思わせといて、すぐに死ぬ。何故なら、大切だと分かってるコロニーを自分で穴を開けてしまう。海の底に穴が空いたので、コロニーから海水が大量放出されヤバイヤバイと言いつつも、すぐに塞ぐことをせずに主人公を倒すために巨大モビルアーマーを出してきて戦ってく。そのうちに、穴から海の水が出てしまってコロニーの環境がヤバいことになるから俺のこのMAを使って塞ぐぞ!浸水して脱出できねぇ!死ぬ。みたいな流れだ。

これにはマジでビビった。団の長の隊長である人物がこれほどまでに ”今” に縛られて、感情に流されて生きてて大丈夫なの?と。穴を開けたのも、自分とMSがすごいから大丈夫だろうという過信が招いたものだとは思うけど、考えなし過ぎる…。

その他にも、色んな交戦があるけど、目の前の状況のみで手を組んだりするので敵味方がよく分からないことになる。

ファーストとの共通点

劇場から帰宅した後にファーストガンダムを見返してみるかと思って1話を見た。すると、同じようなことが起こっている。40年前と現在でも人間のやってることは変わんないよということだ。

ファーストでは偵察任務を受けたデニムとジーンがガンダムを見つける。で、ジーンは功を焦ってガンダムを爆破すれば戦果になるじゃんとザクに乗って意気揚々と行くが、偶然乗り込んだアムロに殺される。これもほぼ一緒で、”今” と感情に流された結果である。

死んだヤツの言うことを信じるな

キア・ムベッキが意味不明な行動をしたと書いたが、そいつの弔い合戦的な感じでジット団は地球へ向かった。死んだやつはもう目的・戦略の本当の意図をしゃべらない。そいつの遺志を継いだなんて言っても、間違っていることの方が多い。WIREDの元カルトの人も、指導者がいなくなると人生が崩壊して路頭に迷うと言っていたし、ジット団の団員はキアの意志を継ぐ以外はなかったのだろうが…。

ロボットに乗って戦争をするということ

最後のエピローグで、互いにMSに乗って殺し合いをしていたはずの二人が仲良さそうに話していた。同僚がその隣の男に殺されているのに?こんなこと現実でもありえるんだろうか。ロボットに乗るということは、刀で人を殺すよりも、銃で人を殺すよりも、もっと軽いのか。しょうがないと思えるのか、なんなのか…。

暇なやつがおもちゃで戦争をやる

ラライヤが「あの軍艦に乗ってる大人って、大きなおもちゃをもらってはしゃいでるんです」と言ったことがとても強く印象に残っている。
最終的な目的(地球を正常な環境に戻すこと)やその戦略(宗教の教義)を忘れた・知らない人たちの中で、金と権力と武力を持って退屈した奴ら地球側は宇宙へ、宇宙側は地球へと向かっている。
上に書いた「じゃあなんのためにみんな戦っていたのというと」の続きとしては、退屈だったから以外には僕は見当たらなかった。弔い合戦も暇じゃなかったらやらないだろうし、戦争によってキャピタル・タワーカシーバ・ミコシが壊れたりしたら地球は終わるって分かってるし、みんな世界を滅ぼそうとはしてなくて自分の退屈を紛らわす方法を探してるだけのように感じた。だからみんなその場の状況と感情に流されていく。

エルメスの薔薇の設計図を世にばらまいて、地球で戦艦やMSを作れるようにして、キャピタル・アーミィを作って軍拡したクンパ大佐も、結局自分でばらまいたのに「人類は絶滅してもいい動物だ」みたいなこと言ってたのも、最終的に状況が面白くなるように暇つぶしをしていたのでしかないのでは。

 

なんか今思い出せるのはこんな感じ。

僕がGのレコンギスタを見ようと思ったインタビューはこれ

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