マレーグマの頭のなか

文章を 書くだけなら タダ

20220622

先日のブルーノ・ムナーリの流れで社会との関わりとクリエイティブについて書いたが、また別の本にて似たような記述があった。21世紀の道徳という最近出た本で、400ページほどある中の343ページ目。仕事とアイデンティティのパラグラフで、ノルウェーの哲学者のラース・スヴェンセンの言葉を引用しつつ、こう書いてある。

ユーダイモニア論によると、自分の人生における目標や幸福とは、徳を実践する活動を通じて「自分はどのような物事を大切にしたいのか」などと自己に関する理解を深めることによって、その形を発見することができる。(中略)その活動は、ランニングや押しピン投げのようにひとりでおこなえる自己完結したものではなく、自分の外側にいる他人や社会に関わるものでなければならない。ひとり自室にこもっておこなう創作行為ですら、その成果を他人に見せて評価をもらったり相手に影響を与えたりすることが、その意義の大部分を占めているのだ。

人生の目標や幸福がイコールクリエイティブとは思わないが、「どのような物事を大事にしたいのか」を示しているものであるとは感じる。そして、アートやクリエイティブはそもそも社会と繋がっていて、徳を通じて自己と様々な形で接続している。徳というのは前記事の社会問題ともとれるかもしれない。