マレーグマの頭のなか

文章を 書くだけなら タダ

20191004

 

なんちゅうか、日記を書くための体力が落ちている。

日々落ちている。視覚から受け取る情報の解像度も落ちて、過去の遺産から解像度を上げるような、低解像度の写真を高解像度にする人工知能に手助けをしてもらわないと読める文章も書けない体になっている。薄い油絵の具を無理矢理メディウムで伸ばしている感覚。

改札を通った直後に見えた、前を歩く人の残高。1円。なんとなくカッコいい感覚があった。そのゼロコンマ何秒後、自分の残高を見る。88円。これもなんだかんだ悪くないとプラットホームへ向かった。

中学生のとき振りくらいに「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」をやっていた。気力を鍛え直すため、インターネット上の攻略情報は一切見ていないが、意外とサクサク進められる。次はラストダンジョンだが難易度のちょうど良さに驚いている。飼い犬にSwitchを噛まれないようになんとかしている。

ゼルダの伝説 夢を見る島 Switch」を発売日に買った。約25年前にゲームボーイ版をやっていた。多分僕の家にあったゲームボーイソフトの中でも最も古いものの一つで、おそらく購入順は「ドクターマリオ」「テトリス」「スーパーマリオランド」「カエルの為に鐘は鳴る」「夢を見る島」って感じだったと思う。思う、というのは兄姉が揃えたもので、僕はまだ自我のないときに既にいくつかソフトがあったのだ。

当時からとても好きだった。何周したか分からない。道具が増えていって、進める場所が増えていく。この感覚はどのゼルダシリーズでも共通だが、"夢を見る島" は他のシリーズよりもマップが狭いからか、至るところでここも行けるんだ感が味わえる。そういえば当時攻略本も持っていて、ゲームボーイの画面上に移されるドットは、本当はこんな感じなんだと攻略本のイラストと照らし合わせてワクワクしていた。ドットは僕らの想像力をかきたててくれる。

そして”夢を見る島”は、なんと言っても音楽が良い。この頃の任天堂から出てるカセットはどれも音楽が良い。スーパーマリオランドのエンディングテーマ聞くだけで泣ける。聞いてくれ。夢を見る島も言わずもがな、音楽がとても良い。他のシリーズに比べて、全体的に切ない曲が多い。物語が故にそうなっているのだが、実際にやってくれ。

今回リメイクということで音楽がどんな風になるか、が気になっていた。僕は五感と記憶の関係に対して、最も定着し、想起しやすい五感の順番は嗅覚、聴覚、味覚、視覚、触覚の順だと思っている。聴覚は記憶を呼び起こしやすい。昔と違うメロディでも、記憶と違って改悪だと感じた場合には受け付けられないことがある。故に、プレイするのが怖かった。ひょっとしたら、アカンかもと。でも、やってみると本当に良リメイクで、こんなに良いリメイク作れるのすごいなーとただただ嬉しかった。任天堂は僕の小さい頃の思い出をそのまま持ってきてくれたんだと。エンディングはSwitchを風呂に持ち込んで、湯船で見たけど、めちゃくちゃに泣いてしまった。25年前を思い出させるような仕掛けもあるのが本当にニクい。サウンドディレクターに「ありがとう」と一言言いたい。

数々ある過去の名作を現代のテクノロジーで復活させてほしい。少なくとも「カエルの為に鐘は鳴る」は夢を見る島を作ってしまった今、当時やっていた人の中でもやりたいゲームの一つなんじゃないだろうか。数年前に3DSのゲームアーカイブゲームボーイ版を買ってプレイしたが本当に面白かった。これは是非リメイクを頼みたい。