マレーグマの頭のなか

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動機は自分から生えてくる

 

 昨日、友人からこの記事を受け取った。衝撃だった。はてブでは記事が出た当時800近いブクマを得ていたことを知る。ほんともうめちゃくちゃ長いのだが読んでほしい。

 

politas.jp

 この記事には沖縄の2018年選挙を通じて、沖縄県民のメンタリティ、そのせいで彼らが抱えている本当の問題、そしてそれが日本の縮図であり、世界から見た日本と全く同じ構図であるということが分かる、と書いてある。

 

 このうち、上からおよそ7分の2くらいの場所にある「自尊心」以下それから半分くらいまでが今自分が置かれている環境や考えていることとリンクしてズシッと重かった。

自尊心が低い人は、失敗(正確には、失敗そのものよりも、失敗によって人から軽蔑されるリスク)を恐れ、挑戦を避ける傾向がある。失敗を恐れる人は創造的であり得ない。自尊心の低い社会から、イノベーションは生じ得ない。

自尊心の低い人は、他人の出方によって自分の行動を決めるから、自分らしく生きることが難しい。挑戦を避けて成功を逃す一方で、人の成功を羨み、成功者の足を引っ張り、現状維持を好む。体面を保つためには不正をしやすく、他人への関心が低く、被害者意識が強く、暴力的で、幸福度が低い 。

 

 寝る前に、自分に自尊心が芽生えたのはいつだろうと考えた。

 10代、勉強しなくてもある程度できた時点で、自尊心に似たなにかは既にあったと思う。でもそれは決して自尊心ではなかった。おそらく無知から来る万能感だろう。案の定大学受験前期試験で落っこちて、旧帝大から後期で東京の国立に行くことになる。勉強を真面目にしてないから当たり前だ。お前はそこまで頭が良いわけじゃないし、容量もいいわけじゃない。

 20代、大学では勉強をしていた。単位を取るために勉強が必要な当たり前の学校で、周りと一緒に当たり前に勉強していた。外の大学と交流したのが今に役立っているが、時流という時代で濁った水の圧に負けて生きていたように思う。生きていたのか、やるべきことから目を伏せていたのかは知らない。大学卒業も自分が何者かは知らず、なんとなく気になったベンチャーに入り、なんとなくできそうだという社長のイメージから新規開発の部署に入った。10代の頃にあったはずの万能感は特になく、無我夢中で目の前の仕事をこなした。

 多分この辺からやっぱり自分がやりたかったこと、好きだったものを考え直すようになった。ちょうどこのブログを始めた2012年だったか13年だったかそのあたり。そして転職を決意、転職活動を始めた。2社を受け、両方受かった。

 

 おそらくここだ。ここで自尊心が芽生えた。あ、俺って認められるんや、って。

 

 自尊心が芽生えてからは何故かトントン拍子にうまくいった。周りには25歳で成功している人なんて腐るほどいるが、彼らと比べることがなくなった。自分だけを見て、自分を見られるようになると他人を、そして社会を見ることができるようになった。そして元カノと別れることになり、再度自尊心にほころびが見え始めるが、ちょうど私生活で遊んでくれる友人が仕事を通じてできたタイミングでもあり、なんとかなった。彼らは僕のありのままを受け入れてくれた。本当にそれが嬉しくあり、僕も彼らに対してなんとかしてあげたいと思うようになった。彼らには感謝してもしきれない。

 自分をはじめから認められる人はそうそういないのではないだろうか。順序として他人に認められて、それから自分を認められるようになる。まずはじめに親、親戚、友人、友人の親と徐々に輪を広げていく。が、僕の場合はおおよそそこで止まってしまった。そこから先社会へいくまでに相当な時間をかけてしまった。このおよそ20年は損失かもしれない。失われたの日本の20年はここにあったのか。

 

 そして今、結婚もしたり、したが、それよりも、その直前に仕事で2年ほどマーケティングブランディングに打ち込んだことが今の仕事のマインドに影響を与えている。ビジョン・ミッション・バリューの考え方だけでも大きく変わった。自分の人生にビジョンはあるのかと問いかけ、再定義した。

 自尊心が低い人は世の中にたくさんいる。それは悪い状態というわけではないが、仕事をやるうえでは、僕は一緒に仕事はしたくない。自分がなんのために仕事をしているのか、その会社に所属しているのかの理由がない人間は、生産性が低いからだ。組織の大小は関係なく、働きアリの法則のように必ずいる。

 人間はなにかしら理由付けしてあげないと、行動する動機が弱い生き物だ。マーケティングの教科書でもで書いてあることだ。僕も休みの日に何もなければ何もしないような人間だしよく分かる。仕事において動機は組織のマネージャーが与えるものではなく、自分から生えてくるものだ。しかし、マネージャーは他人を認めてあげることはできる。部下をコントロールするのではなく、認めてあげることがマネジメントなんじゃないだろうか。

 スタートアップで働いている人が精力的に見えるのは、なんのために仕事をしているのかが明確だから。自尊心があるのでリスクを取ることができるのだ。動機は自分から生えてくる。