マレーグマの頭のなか

文章を 書くだけなら タダ

20180702

 

 今日は何か書いてから帰ろうと思っている。既に定時から4分ほど時間が過ぎている。いつも定時ごろになれば、ソワソワしながら今自分がやるべきタスクを明日に回せるかどうかを確認している頃だ。

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 いつもどおり、特別書きたいことなどないのだが、捻り出す。昨夜、寝る前一時間の暇つぶしにちょうどいいものがないかとPS4のコントローラーを握りしめ、動画をNetflixで探していた。「プロフェッショナル仕事の流儀」がいくつか入っていることに気がついた。飛び飛びで10本ほどだった。とりあえず第一回は誰じゃい、ほう、星野リゾートの社長である星野佳路さんだった。

 今年の二月にちょうど星野リゾートの箱根に行った。施設の良さはもちろんのこと、従業員の方々の細かな気遣いがたくさん感じられたように思う。ああ、これが「星野リゾート」なのかと感動した。そんな素晴らしいサービスを提供している会社の社長はどんな人なんかなと思い、コントローラーの◯ボタンを押し、再生した。

 

 彼は星野リゾートを僕の一つ上の31歳で継ぎ、バブル崩壊の最中、自社の軽井沢のホテルを任される。トップダウンで行われる施策に対して従業員の3分の1がいなくなったりするも、どうにか立て直す。そして、今(2006年当時)新たに伊東のホテルの再建をしている最中だった…。というようなプロットだった。

 

 彼のすごいところは「自分で決めない」ところ。基本的に従業員の中で話し合わせて、お互いが共感する問題や解決策を出させ、それを自主的になるようにやらせる。うちの上司が口酸っぱくして言っている、ブランドのロイヤルティの最上位である「主体」になるように仕向けるということだ。自分たちが課題を出し、そしてその解決策も出す。コンセプトは社長から下ろすのではなく、社員が見つけたものをまとめるだけだ。そうすることで、従業員は共通の認識が芽生え、軸ができる。軸ができれば、施策がそれに対してどうなのか確認しながら行われるので、やることがぶれない。そして自分たちが決めたので、参加して決めたことはやらねばと、モチベーションが維持される。特に旅館やホテルで「おもてなし」するために必要なものは「マニュアル」ではなく「主体」であることがよくよく見えてくる。彼は「ホテルなどに勤めている、従業員は『誰かを喜ばせる』というところにモチベーションがあると、そう信じて、僕はやっている」というようなことを言っていたが、まさに「主体」にさせているのである。

 

 このやり方が彼が卒業したアメリカのホテル経営学で学んだのか、そうでないのかは分からない。ただ最初の頃は失敗してたから自分で編み出したんだろうか。最後の方はあまりにもうまく行き過ぎてて涙が少し出た。そして12時になったので、コントローラーのPSボタンを長押しし、電源を落とした。