マレーグマの頭のなか

文章を 書くだけなら タダ

汽水域

 そういえば最近はあんまり文章を書いてなかったな、いや正確には普段は無意識に追いやられている部分を掘り起こしたような文章を、だった。仕事でレポートを書いていた。スライド3,4枚でいいからと言われたものが結局10枚にもなってしまった。こういう仕事で文章をウンウン唸りながら書いていると無意識の部分なんてどうでもよく感じてしまう。こうやって人は三日坊主みたく何か習慣にしようとしていたものを捨て去ってしまうのだな。

 

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 会社が移転して、あまり馴染みのない場所で働くことになった。渋谷から逃れたい一心で心機一転転職しても渋谷に移転したりと、逃れられないように渋谷で働いていたが今回は一旦落ち着くんだろうか。

 所変われば品変わるではないが、所変われば道行く人々の雰囲気もガラッと変わるもんなんだなと、普段は忘れていることを体感する。渋谷といえば若者の街と言われている ―― 実際はそんなこともなく、ただのIT業界の会社が集うオフィス街だ ―― が、今回の地の僕のイメージはエンタメとビジネスの汽水域のようなところだ。渋谷のように尖ってもなく、かと言って丸の内のように落ち着いているわけでもない。どのアンケートにもある ”どちらでもない” のように曖昧でふわふわとした場所だ。こういう場所では普通であることが最も迷彩服に近い。その迷彩服がどんなものか分かりづらいためにそれを着るのが難しく、何かしら人は目立ってしまう。それが服装なのか髪型なのか仕草なのかは各々によって全く異なるところだが、普通を探ることが難しいこの街では、何を着てても、どうセットしても、何をしてても注目されてしまうかもしれない。