マレーグマの頭のなか

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京都・リノベ

 京都に行って寺社仏閣は数カ所しか回っていないが、かと言ってその他の店舗も数か所しか回っていない。おおかたの建物は新しくなく、昔から続く民家を改装、イマドキの言葉を使うとリノベーションというとこだろうか、それをして過去の資産を有効活用して作られたものが大半だった。

 しかしまぁどこもその雰囲気が良くて、あーこういうお店が東京にもあったらなーという気持ちになった。大通りから一本入るだけで民家改装した居酒屋があって、お客さん同士の距離も近くて、静かに語らっていて、お酒も料理も美味しいしええなぁーって。

 京都は建築関係の条例などが厳しくてスクラップ・アンド・ビルドをすることが難しいという話をいつか耳にしたこともあるので、昔の物件を利用しようというとこなのだろう。ある種、どの店舗も統一感があって非常に京都に来た感が醸しだされる。あ、そういえば八坂神社近くの石造りの建物の中にあっまーい匂いを外に垂れ流していたお菓子屋三あれだけは許されない。

 多分東京も東の方に行けば ”いい雰囲気の建物のお店” もあるんだろうけど、東京と京都ではそもそもの家屋の作り方が違うので、重厚感のある家というよりもペラペラのベニヤ板みたいな家ばかりだから同じ気持ちになれるかといえばそうは問屋が卸してくれない。さらに今は地震の影響もあり、どこの区も耐震強度不足を理由にまさしくスクラップ・アンド・ビルドをしているようだ。ぼくが前に住んでいた近所にあった、汚い店舗だけどミシュラン級こときたなシュランをもらっていた天丼屋さんも解体されたっぽい。あそこまで美味い天丼なんてそうそうないのに…。そしてああいうお店で食べるからこその美味しさがあったのにな。2020年に東京オリンピックがあるから仕方ない。いっそAKIRAみたいな世界になってくれたっていいかもしれない。

 これからコンクリート打ちっぱなしだったりガラス張りだったりの新しいビルや、パーツを組み合わせて作られる新居は増えても、一本木製の大黒柱がスッと立ってたり大きな梁が通ってる古民家なんかは作られることはないだろうな。現代ではすでに趣味の領域になっちゃってる。