マレーグマの頭のなか

文章を 書くだけなら タダ

奪われた物語

 

予報では雨が降る言ってた。まぁ正確にはヤフーの右側、真ん中寄りの辺りを見ただけなんだけど。それでもとりあえず家を出る前に、昨日の夜から乾かしてた折り畳み傘を丁寧に折りたたんで、リュックに入れた。つもりだった。入ってなかった。でもなんだかんだ会社に着くまでに雨は降らなかったから気付かなかった。

 

お昼ごはんに行こうとすると、降ってきた。リュックを覗いても無かったので、仕方なくコンビニで買った。608円とかそういう感じだった気がする。小銭はたくさんもらった気がする。もらっとお釣りではなまるうどんで温玉ぶっかけうどんを買って、付け合せにいつものちくわの磯辺揚げつけて。

 

食べ終わる頃、会社の女性が一人、はなまるうどんの入り口の外で、待っていた。雨が止むのを。傘を持ってなかったみたい。なので、久々に一つの傘の下、二人で会社の裏口まで。僕より背の低い人を傘に入れることなんて無かったし、やっぱちょっとドキドキした。どんな会話したか忘れたけど、あんまりうまく喋れてなかったと思う。

 

今日は割りと理不尽な仕事が降ってきたから、22時くらいまで仕事してた。さて、帰ろうとして「おつかれさまで~す」って言って、数秒で戻ってきた。傘がなかった。恥ずかしいことをして、顔に血がいく感じもなかったし、ヤバいことをして顔から血が引いていく感じもなかった。ただただ、不愉快なモヤモヤと会社に対する嫌悪感だけが渦巻いてた。ストーミング。

 

仕事って契約だけど、信頼関係で成り立っていると思う。それはウチでもソトでもおんなじで全く変わらない。こんなつまらないことで、会社に嫌気が差すとは思わなかった。自分の器が小さいことは解ってる。けど、これくらいもできない人間もどこかオカシイと思う。こういうことがあると、人にものが貸せなくなるし、もっと言えば面白いアイデアだって言いたくなくなる。内に内にとベクトルが向いてしまう。当たり前のことだけど、会社に求めるものは安心して仕事が出来る環境なんだから、こういうつまらないことで猜疑心をもたせるのはやめて欲しい。それを会社に求めるのがおかしいことだとしても、僕はそういうレッテルを貼ってしまう。

 

せっかくストーリーを持った傘がどこかに出かけてしまった。また帰ってきてくれたらいいのだけれど。