マレーグマの頭のなか

文章を 書くだけなら タダ

知ってる症候群

 僕がWebというものをやり始めた時、まだ新しいけどそれは1998年のことだった。まだ11歳。親のノートパソコンを使ってインターネットを覗き見ていた。

 そのときは僕は何も知らない少年だった。しかし、周りも何も知らない大人たちばかりだった。何も知らない大人たちと何も知らない少年は友達に成りえた。どこかのWebサイトの掲示板やポータルサイトなどの場を何かを知っている大人たちから与えられた。そこでコミュニティを作り、別れ、無くなっていった。色々と教えてもらって、それを他の誰かに教えていた。

 

 今、みんな何かを知っている。驚くほど知っている。いや、知らないのかもしれない。でも、知っているふりをしている、気がする。知らなくてもグーグルという先生に聞けば直ぐにWikipediaや答えの載っているサイトの項目を出してくれる。それをあたかも知っているかのように振る舞い、周りに見せびらかしている。

 また、皆誰かと繋がっている。驚くほど繋がっている。新しいSNSが出来ると、コミュニティがすぐに出来上がっている。FacebookTwitterMixiも全て同じコミュニティを持つ人がいる。新しいSNSには新しいコミュニティに属していてもいいはずなのに、既存のコミュニティを持ち出す。そして、内輪で盛り上がる。

 楽しい。それは、楽しい。楽だ。辛くない。知っているから。周りを皆知っているから。ジャーゴンで塗り固めて他の人を寄せ付けない壁を作る。知らないということはおかしいことだと錯覚させる。僕はここにいてはいけない人間なんだと錯覚させる。