マレーグマの頭のなか

文章を 書くだけなら タダ

散歩をした。

 

ふと、足を休め、人の居ない公園のベンチに座る。

 

すると、人の声や人に作られた物の音は聞こえず、聞こえるのは、聞こえなかった物音。

 

風の吹く音。虫の羽音。カラスが羽ばたくために動かす腕の筋肉の音。ウシガエルの鳴き声や池に飛び込む音。花の揺れる音。ざわざわと、今まで聞こえなかった音が空気を通して聞こえてくる。

 

街灯の明かりが、空の星々の明かりを消すように、都会の喧騒が当たり前の音をかき消していた事に気づかされた。

 

物に溢れたこの世の中で、物があるせいで何かをかき消しているかもしれない。

それを気付かせるためには、物の無い生活をしなければいけない。

今の人々は物欲にまみれている。

その物欲は、人間の感覚、五感を司る器官ではなく、何かいわゆうる空気や異質感を感じ取るための器官を切り取ってしまっているのかもしれない。それは、とても大切で、暖かいものだと気づいているはずなのだが…。