マレーグマの頭のなか

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キャンプ

 先日、新潟にキャンプしに行った。ちょうど台風が日本列島に上陸するかしないかのタイミングだった。決行か中止か怪しいところだったが、自称晴れ女がいたおかげで、僕の雨男っぷりが相殺されたようで無事楽しく終えることができた。

 新潟というところは裏日本の一つであり、年中曇りと雨と聞いていた。聞いていたとおりの曇り具合は健在だが東京よりよほどカラッとしていて過ごしやすいところだな、という印象になるくらいには好きになった。風の強い夜を越え、続けて曇りの朝の早いタイミング、まだ関東全域は雨の予報だった。まだ雨は降っていなかったが、これから降ってくるようなぬるい風と暗い雲があたりを包んでいた。

 テントから徒歩数分のところにあるトイレに行く途中、山の開けたところから、遠くの山々と尾根の棚田がよく見えた。よく見ると、とても青い。緑生い茂る山は碧く、棚田は緑がかってまるで皐月のような景色だった。あぁ空気遠近法ってまさにこのことなんだなと、実感を、した。頭では分かっていたものの、これだけ色が変わってしまうのかと。青くフィルターがかかったようなぼんやりとした景色が、キャンプをするということを象徴しているような気がして、みんなが片付けに勤しんでいる間も僕は何かを噛み締めていた。