マレーグマの頭のなか

文章を 書くだけなら タダ

無題

目でする記憶は刹那的で、僕はそれを覚えていられない。大体のことは目の記憶だから。僕はほとんど物事を覚えられていない。今の仕事はひたすら打鍵することで体に覚えこませているように思う。壁当てをしていればいつの間にかその壁に球の跡が付いているように、今の仕事ができるようになったのは、この跡のおかげだ。たまに後輩にコーディングのために算数や数学を教えるのだが、大抵の人はほとんど覚えていない。中学高校とあそこまで学ばされたのにだ。それも文字を書いて、鉛筆の角で中指の皮膚を凹ませた跡のおかげかもしれない。見て聞いてだけで覚えられない。親の顔も12年前から止まっている。実際にはもっと老けているはずなのに。今をもっと覚えておかなきゃ、もったいない。