マレーグマの頭のなか

文章を 書くだけなら タダ

そりゃ、見た目を褒められたいさ

 春がきた。ということで、先日の日曜日に花見をした。東京はその日珍しく雨がポツリポツリと降っていたが、傘がいるほどではなかったのでそのまま友人と代々木公園に向かった。すでに16時を回っていて太陽も出ていないし、ライトアップはされていなかったので公園内は薄暗い感じだった。ベンチは埋まっていたので、開いている桜の木の根っこを椅子にして、友人とコーヒーを飲みながらくっちゃべっていた。

 すると、隣に集団が現れた。別段集団が来ることはおかしくない。だって花見の季節なんだからみんな桜を見ながら飲食したいもん。しかし、ちょっとばかしおかしい集団だった。というのも服装がいわゆる「原宿系」の人達だったのだ。だいたい中高生から数人が20代前半くらい、外人も居た。きっとmixiみたいなコミュニティで集まった人達なんだろう。

 とはいえ、ファッションが多少派手だろうがフリフリ系だろうがゴスロリだろうが男が女装してようが特に気には止めないけれど、もっとおかしな点があった。それはカメラを持った普通の服装、いや普通よりももっと地味なそれを着たおっちゃんおばちゃんが付帯していたのだ。きっとその人達は彼らの親なんだろうけれど、親が子供の好きな服装をそのままにしているというのは俺からしてみれば、すげぇことだなぁと思った。

 

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 俺は親にコレと指定されていたわけではないが、別段特異なファッションに惹かれたことは無かった。ファッション誌は今まで一度も購入したことはないし、美容室で出される雑誌もどちらかと言えばCasa BRUTUSとかMONOとかの方がなんとなく嬉しいし、購入意欲をそそられる。オマエ、こういうファッションが好きなんだろ?って言われている気がして嫌な部分と、純粋にこの雑誌を見ても実際に買えるのはユニクロとか値落ちしたGAPとかそこら辺だからとかいう気持ちがあるからかもしれない。

 

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 春は明るい色の服を着られるから好きだ。冬にド派手な服を着ていると、周りから好奇の目で見られる気がする。今日はPANTONEで言えば485Cに当たる色の薄手のセーターを着ているのだが、秋口に着ると派手だねぇ!って言われるけど、この時期に着ても特に何も言われない。それはそれで悲しいっちゃ悲しいけど。

 見られたいけど、見られたくないというアンビバレントな気持ち。

 見られたくないという気持ちは、そうではなくて、見られても褒められたいということなんじゃないかと少しばかり揺れる。褒められたらそれだけでいいよね。服もアクセサリーも借りている部屋も家具も一日のスケジュールも自分で、それを全てを褒めてもらいたい。陵南の福田吉兆くらい褒めてもらいたさが俺の中に渦巻いている。